
デジタル化の加速、顧客行動の急速な変化、AIの台頭—。マーケティングを取り巻く環境は、かつてないスピードで変化し続けています。多くの企業が「今までのやり方が効きにくくなってきた」と感じる中、組織としてどう対応すべきか。外部人材の起用という選択肢は果たして有効なのか。
今回は、マーケティング領域で数多くの企業支援を手がける伴大二郎氏に、企業が抱える共通課題と外部人材起用の本質について伺いました。
多くの企業が陥る「うちは特殊だから…」の思考の罠 —現状を変える覚悟はあるか?
多くの企業のマーケティング組織を見てこられた中で、共通して見られる課題はありますか?
コンサルティングをしていると、9割の会社が「うちはちょっと特別なんです、特殊なんです」と言うんですよ。独自文化があって、「こういう方法でやってきたから」「こういうルールでしか通らないから」という前提が先に来てしまう。これは企業の効率性という意味ではメリットでもあるんですが、マーケティングという観点、つまり刻々と変化している顧客に対応するという意味では、大きな障壁になります。
だからこそ、外部のフラットな目、より顧客向けの視点が重要になるんです。
マーケティングという文脈で外部を入れようと思ったら、企業側は自社の独自文化を見直す、変えるという覚悟が必要です。
まず心構えが大事なのですね。
自分の会社の今までのやり方を変えるという前提がないと外部の人たちに頼むということ自体が、単なる業務や作業の委託になってしまいます。
また、よくあるのが「前の担当者が辞めちゃって同じように募集したいんだけど…」という話。そうでなくて、「新しくこういうことをやりたい」とか「この成果を直したい」といった目的が大事ですね。
今までやってきたことが効きにくくなってきた、新しい方向を取り入れなきゃいけない—そういう時に、一から自社でやるのは失敗リスクもコストも高い。だからこそ外部を頼るべきなんです。
仰る通りですね。一方で、「前任者が辞めてしまって、リソースもスキルの面でも穴を急いで塞がないといけない」という場面は実際問題避けられませんよね。
そうですね。ただ、企業が一番やってはいけないのはマイナスを生むことです。マイナスを極力防ぐために、即戦力となる外部人材を起用して企業側はそのスキルをどんどん型化する、そして現場からの改善やもっとジャンプアップしたいときに、また外部人材を起用する。フェーズにおける各判断がとても大事だと思います。
プロデューサーと共に事業を動かす ー外部人材起用のその先へ
外部人材を起用できたとしても、そもそもやりたいことが正しいのか、人を入れてうまく機能するのかと懸念に思う方もいらっしゃるかと思います。
そうですね、経営陣や事業部長と同じ目線で会社や事業を見つつ、ある意味第三者として顧客の視点にも立てる存在が必要ですよね。
まさに、PjTOマーケティングの出番ですね。
PjTOマーケティングとは?
マーケティング活動を効率的、効果的に推進するために外部人材を起用してマーケティングプロジェクトチームを流動的に組成すること。
例えば、株式会社BLAMの場合、国内最大級の複業マーケ人材を紹介するカイコクを活用し、皆さん自身が選んだプロ人材でチームを組成して、複業人材を起用したチーム組成・コンサルティング経験が豊富なBLAMプロデューサーもPMとして伴走します。

PjTOマーケティングが必要なのは、どんな企業でしょうか?
正直、自分たちがうまくいっているという企業以外はやったほうがいいと思います。
今ってデジタル技術など世の中の進化のスピードが早すぎるんです。一般の方たち、特に若い人のほうが、SNSや新しいガジェットの使い方が企業よりも圧倒的に早い。企業は常に遅れてしまうんですね。
デジタルマーケティングについても同様です。社外に目を向ければ、各分野を専門で張っているプロの方々が必ずいます。世の中の変化のスピードに合わせていくためにも、各領域のプロ人材の力を借りたほうが、圧倒的にスピーディー且つローコストに、より良いマーケティングができると思います。
プロ人材を起用したチームをマネジメントしつつ事業も見るとなると、企業側もとても負担になってしまいます。PjTOマーケティングという取り組み自体、経験が豊富な外部のプロデューサーの力を借りることが大事ですね。

外部人材起用のハードルを下げる—まず、声を聞くことから
外部人材の起用を検討している企業へ、メッセージをお願いします。
まずはハードルを下げてみることが大事ですね。
例えば、社内に入ってきた新卒よりも他の会社の新卒から学ぶことは実はすごくあります。自社のルールがうまく当てはまらないから、うまくいっていないことが多いんです。
だからこそ、いろんな人の話を聞く。特に外部の詳しい人の話を聞いて、一緒に仕事をしてみるのはとても良いと思います。
おわりに
「うちは特殊だから」という思考が、実は成長の足かせになっているかもしれない—多くの方にとって重要な気づきがあったのではないでしょうか。
外部人材の起用、特にPjTOマーケティングは、単なる人手不足の解消策ではありません。変化する市場に適応し、顧客視点を取り戻し、組織を進化させるための最適解です。
まずはハードルを下げて、外部の声を聞いてみる。その一歩が、組織の未来を変えるきっかけになるかもしれません。
▶︎PjTOマーケティングとは
https://digimaguild.blam.co.jp/articles/6722

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