カイコクアカデミー
【toCマーケター必見】購買を喚起するInstagramコンテンツの作り方 〜200社以上のアカウントを支援した現役SNSディレクターが直伝〜

SNSは、今や「ブランド認知のための場」から「購買行動を直接生み出す場」へと大きく進化しました。特にInstagramは、ビジュアルの訴求力とショッピング機能の充実により、ユーザーが「見てから購入まで」スムーズに進めるプラットフォームへと成長しています。
しかし、数多くの企業がInstagramを運用する中で「売上につながらない」「フォロワーは増えるのに成果が出ない」という悩みを抱えています。
その原因の多くは、以下のような“ありがちな失敗”にあります。
- 宣伝一辺倒でユーザーに敬遠される
- 一方通行の発信でユーザーとの関係性が築けない
- 企業目線の情報ばかりで共感を得られない
- 購買導線が整っておらず、欲しい瞬間に買えない
これらの失敗を避け、購買へと確実につなげるために必要なのが、この記事で紹介する6つのポイントです。
私はこれまで200社以上のInstagram運用を支援してきましたが、この6つを押さえた施策を実施することで、フォロワーが「ただ見る人」から「行動する顧客」へと変化するのを実感しています。
それでは具体的に見ていきましょう。
1. 宣伝感を抑え、共感を先に作る
Instagramでは、露骨な宣伝は敬遠されやすく、「このブランド、売り込みが激しいな…」と感じられると、ユーザーは離れてしまいます。
重要なのは、商品やサービスの魅力を「押し売り」ではなく、「共感」を軸に伝えることです。
<実践ポイント>
- ストーリーテリングを活用し、背景や開発秘話を交える
- 機能よりも「使うことで得られる変化(ベネフィット)」を強調
- 実際の使用シーンを自然に見せる
事例:Merit Beauty(コスメブランド)
米国のMerit BeautyはInstagramでの投稿の約80%をUGCやストーリーに割き、ブランドからの直接的な宣伝を最小限にしています。
ブランドの世界観や利用者のリアルな声を軸に発信することで、広告感を薄めつつ購買意欲を高めています。
【引用元:Vogue Business】
https://www.voguebusiness.com/story/beauty/slow-and-steady-inside-merits-marketing-strategy

【引用元:MERIT Instagram】 https://www.instagram.com/merit/
事例:Apple(#ShotoniPhone)
Appleの公式Instagramアカウント(@apple)では、新商品の告知やスペック説明は一切行わず、世界中のユーザーが「#ShotoniPhone」のハッシュタグを付けて投稿した写真や動画を厳選して紹介しています。
これにより、「iPhoneを使うとこんな写真が撮れる」という実用イメージを自然に訴求し、宣伝色を限りなく抑えながら製品価値を高めています。

【引用元:Apple Instagram】https://www.instagram.com/apple/
2. 双方向のコミュニケーションで関係性を構築
購買は信頼関係の延長にあります。一方通行の投稿ではなく、フォロワーとの対話を重ねることが重要です。
<実践ポイント>
- コメントやDMには必ず返信する
- ストーリーズを活用し質問形式の投稿で意見を募る
- ストーリーズを活用しアンケートや投票で参加を促す

【引用元:日本ペットフード Instagram】https://www.instagram.com/nipponpetfood_official/
事例
国内のアパレルブランドが「新作どっち派?」という投票をストーリーズで実施し、その結果人気No.1モデルを期間限定セールに設定。投票参加者の購入率は通常の約1.7倍に上昇しました(自社運用事例)。
3. ユーザーの声(UGC)を活用して説得力を高める
企業発信よりも、同じ消費者の声のほうが影響力を持つことは多くの調査で証明されています。これを最大限活かすのがUGC(User Generated Content)です。
<活用方法>
- ユーザー投稿のリポスト
- ハッシュタグキャンペーン
- 広告クリエイティブへのUGC組み込み

【引用元:東武百貨店 池袋店 Instagram】https://www.instagram.com/tobu_ikebukuro/
【引用元:東京ソラマチ Instagram】https://www.instagram.com/tokyo_solamachi/
事例
- 富澤商店
UGC投稿を「みんなの #TOMIZフォト」に掲載し、そこから商品ページへ誘導。UGC経由のコンバージョン率は全体平均の約3倍
【引用元:Future-Shop マガジン】https://www.future-shop.jp/magazine/instagram-ugc-seminar#i-2 - JILL STUART beauty
ファン投稿のレビューや写真をリポストし、UGCを通じてブランドとの関係性を強化 - RAVIJOUR(ラヴィジュール)
UGCやレビューを広告に活用し、CVR前年同月比150%、商品詳細ページ滞在時間約2倍
【引用元:Metabadge】https://metabadge.cloudcircus.jp/media/column/ugc-case - Canon(EOS Mシリーズ)
「#my_eosm10」等のタグで20万件以上の投稿を収集し、カメラ愛好家コミュニティを形成 - H.I.S.(タビジョ)
「#タビジョ」で141万件以上のUGCを集め、旅行需要喚起と拡散に成功 - Honda(#MeandHonda)
タグ付き投稿31万件以上を収集し、製品との共感形成に貢献
【引用元:Gaiax Social Media Lab】https://gaiax-socialmedialab.jp/post-52887/ - UNIQLO 銀座
「#uniqloginza」で一般ユーザーのコーデを紹介し、来店動機やブランド体験を向上 - 資生堂「マジョリカ・マジョルカ」
「マジョリ画」ジェネレーター投稿で2.2万件以上のUGCを創出し、話題化
【引用元:Hottolink】https://www.hottolink.co.jp/column/20200821_107818
4. インスタライブでリアルな声を拾い購買意欲を喚起
ライブ配信は、ユーザーとの距離を一気に縮める最強の手段です。質問にその場で答えることにより、信頼と購買意欲を高められます。

【引用元:COHINA Instagram】https://www.instagram.com/cohina.official/
実績データ
- ライブコマースは静止ページの約8倍の購入率
【引用元:Empathy First Media】https://empathyfirstmedia.com/social-commerce-live-shopping-implementation/
- AlibabaのSingles’ Dayライブでは30分で約75億ドル売上
- CAIA Cosmeticsは初回ライブで平均滞在時間11分、CVR5%(サイト平均超え)
【引用元:Drip】https://www.drip.com/blog/live-shopping-examples
5. ストーリーズで接触頻度を増やす
Instagramのストーリーズは表示されやすく、日常的な接触に最適です。
ユーザーとの接触頻度を増やすことで、購買に悩んだ時に第一想起されやすくなります。
実績データ
- ブランド投稿の71.9%がストーリーズ
- 視聴者の70%が毎日ストーリーズを閲覧
【引用元:Hootsuite】https://blog.hootsuite.com/instagram-statistics/ - スワイプリンククリック率は15〜25%
【引用元:Tagembed】https://tagembed.com/ja/blog/instagram-story-analytics/
6. 「買いたい瞬間」に買える導線設計
購買機会を逃さないためには、購入までの道筋を簡潔にする必要があります。
実績データ
2024年、米国でInstagram経由購入者4,680万人
月間1.3億人がショッピングタグをクリック
【引用元:Cropink】https://cropink.com/instagram-shopping-statistics
導線整備例
- プロフィールにリンクを設置する
- ショッピングタグをフィード・リール・ストーリーズ全てに設定する
- 投稿キャプションに購入方法を明記する

【引用元:LIB Instagram】https://www.instagram.com/lib_life.is.borderless/
まとめ
購買を促すInstagram運用の6つのポイントは以下の通りです。
✓宣伝感を抑えて共感を生む
✓双方向のやりとりで関係性を作る
✓UGCで信頼を強化
✓インスタライブでリアルな声を収集
✓ストーリーズで接触頻度を増やす
✓購買導線を整備する
これらを戦略的に組み合わせることで、フォロワーは単なる閲覧者から購入者へと変わります。Instagramは「売り込む場」ではなく、「買いたい気持ちを育てる場」。
そしてその気持ちが高まった瞬間、迷わず行動できる環境を作ることこそが、toCマーケティング成功のカギです。
現場で痛感していること
InstagramをはじめとするSNS運用では、どうしてもフォロワー数を追いがちです。
実際、クライアントからKPIを「フォロワー数の増加」に設定してほしい、と求められることも少なくありません。しかしながら、フォロワー数だけが伸びても、そこに“ファン”がいなければ本末転倒だと私は考えています。購入や推奨、再訪につながらないフォロワーをいくら積み上げても、ビジネス成果に直結しにくいからです。
SNSのあるべき姿は、企業とユーザーのコミュニケーションの場です。一方通行の告知に終始してしまうと、それはもはやSNSではなく“動的に更新できるホームページ”に近くなってしまう。コメントへの丁寧な返信、投稿設計における問いかけ、ストーリーズやライブを通じた小さな双方向の往復。こうした地道な積み重ねが、最終的には「このブランドを選びたい」という気持ちを育て、購買や継続利用につながっていきます。
では、どう進めるのか。私が大切にしているのは、まず「なぜInstagramをやるのか」という目的をクライアントと共有・合意することです。認知拡大なのか、指名検索の増加なのか、ECの売上なのか、来店予約なのか。
目的が曖昧なままでは、フォロワー数に議論が収斂してしまいがちです。もちろん、この説明や合意形成は簡単ではありません(むしろ非常に難しい場面も多い)が、それでも粘り強く対話を続けます。目的と指標が定まれば、UGCの設計やライブ・ストーリーズ運用、購入導線の最適化といった打ち手が“点”ではなく“線”でつながり、ファン化と企業イメージの構築が着実に進みます。
SNS運用は短距離走ではなく、ファン化を促進し、企業イメージを育てる長距離走です。成果の一部はすぐ数字に現れますが、本質的な価値は時間をかけて蓄積されます。だからこそ、私は目先のフォロワー数に振り回されず、双方向のコミュニケーションを中心に据え、ユーザーの「買いたい」「薦めたい」の気持ちを少しずつ耕していく。この姿勢をこれからも貫いていきたいと思います。

いかがだったでしょうか?
カイコクは、門口さんのようにSNS運用のプロ人材が多数登録しています。
門口さんのようなプロ人材に依頼してみたい、詳しい話を聞きたいという方はこちらからお問い合わせください。

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この記事を書いた人
門口 妙子
大学卒業後、東京都内の児童館職員として勤務。 日々進化するテクノロジーに難なく溶け込む子どもたちと触れあう中で、 インターネットやSNSに対するリテラシー教育の重要性を実感し、SNS業界へ転身。 SNS運用企業にてInstagramを中心に、上場企業から個人事業主まで延べ200以上の企業アカウントを担当。 設計、運用、クリエイティブデザイン作成、画像・動画編集などマルチに担当。