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0→1フェーズのBtoBスタートアップ経営者へ:バリュープロポジションを策定する重要性とそのステップ

#バリュープロポジション
#スタートアップ
#経営

2025.08.25

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0→1フェーズのBtoBスタートアップ経営者へ:バリュープロポジションを策定する重要性とそのステップ

バリュープロポジション策定の重要性

BtoBスタートアップの0→1フェーズでは、顧客ニーズとサービス価値がまだ十分に把握できていないまま開発や営業活動を進めてしまうケースが多くあります。その結果、目的とずれた機能を実装してリソースを浪費したり、的外れなターゲティングによってリード獲得効率が低下したりするなどの課題が生まれます。これが長期化すると、PMF(プロダクトマーケットフィット)到達までに不必要な時間とコストを投じることになり、事業の成長スピードを大きく阻害してしまいます。

PMFに至るための戦略として、バリュープロポジションつまり「顧客が自社製品を選ぶべき独自の価値」を定義し、その仮説検証を繰り返す必要があります。

本記事では、バリュープロポジション策定の核となる3つの要素「自社サービスの独自性」「想定ターゲット」「ターゲットにとっての価値」を深掘りし、どのように言語化し、社内外のステークホルダーと共有・活用するかについて具体的な手順を解説します。

ステップ① 自社サービスの強みを定義する

自社サービスの機能や特徴をただ羅列するだけでは、営業トークや資料において「他社と何が違うのか」が伝わりません。特にBtoBのサービスなどにおいては、相見積もりの場面が100%に近い確率で発生し、顧客は複数の提案を比較しながら選択します。その際「なぜこのサービスを選ぶべきか」が明確でないと、自社サービスの価値を訴求できず、リード獲得効率や受注率の低下に繋がります。

そのような背景がある中で重要なのが、自社サービスの独自性=強みが何かを言語化することです。自社サービスの独自性を効率的に言語化するためには以下の4つのステップで整理することをおすすめします。

強みを言語化する4つのステップ

  1. 市場調査:参入市場における主要な競合サービスを幅広くリサーチし、ベンチマーク対象をリストアップ
  2. 競合機能の一覧化:リストアップした競合サービスの機能・価格・導入実績などを詳細に整理し、共通項と差別化要因を抽出
  3. 自社機能の整理:自社サービスの機能の洗い出し
  4. 差分の可視化とUSP設定:競合との対比から、自社だけが提供できる独自の価値(USP)や優位性を言語化

こうして定義した「独自性/強み」を1文で表せるようにまとめると、営業資料やLP、見積もり提案など、あらゆる場面で一貫したメッセージを発信できるようになります。

また、後述する「ターゲットにとっての価値」の言語化にも繋がります。

例えば、私が支援していたとあるBtoBサービスでは、そのサービスを導入することで「CVRが改善する」ということをメインの訴求としていました。
しかし、競合サービスを調査していくと「CVRが改善する」という効果自体は他サービスと大きな差がないということが分かり、そのサービスの本当の優位性は「導入が簡単(導入ハードルが低い)」ことだということが分かりました。
このように、自分たちが訴求したい点はなにか?ということにフォーカスしすぎると、他社サービスとの差別化が出来ず、遠回りなコミュニケーションになってしまうことがあります。
競合と比較したときの自社の独自性や強みは何か?を明確にすることが重要です。

ステップ②顔が浮かぶレベルでターゲットを言語化する

「ターゲットを定義する」ということ自体はどの企業でも行われていることだと思います。一方で、よくやりがちなのが「〇〇業界のIT部門担当者」や「〇〇業界の決裁レイヤー」というように曖昧に定義してしまうことです。曖昧な定義では、社内でターゲット像への認識がバラつき、施策の精度が低くなります。自社サービスを届けるべき相手を明確にイメージできるよう、以下のポイントをひとりずつ深掘りしてください。

  1. 業界とビジネスモデル:D2C系EC、製造業、BtoB SaaSなど、具体的な業種・業態まで言及
  2. 役職・権限範囲:マーケティング部長、Web担当者、CFO直下の企画室、営業マネージャーなど、その人が持つ決定権のレベル
  3. 抱えている課題やKPI:CVR低迷、予算管理の難航、ABテスト運用の非効率など、日常業務で直面する具体的な課題
  4. 解決後の期待成果と感情:時間削減でチームに余裕が生まれる、上司への報告がスムーズになる、ROI高騰で予算配分が許可されるなど、課題が解決したあとに至る状態や感情

このようにペルソナを細かく定義し、資料や社内共有ドキュメントに言語化しておくことで、誰が見ても同じイメージが共有でき、施策のブレを防ぐことが可能です。
そして、ステップ①と同じく、後述する「ターゲットにとっての価値」の言語化にも繋がります。

実際に私が支援していたサービスでも、「EC業界」の「マーケティング部の部長」というところまではターゲット像として設定出来ていたものの、そのターゲットが抱えている課題までは深掘ることが出来ておらず、適切なコミュニケーション設計が出来ていないという課題がありました。

そこでEC業界のマーケティング部の部長が「どのような成果を追っているか?」や「どのような情報があれば投資判断をするか?」といったことを整理し直すことで、より精度の高いコミュニケーション設計を行うことにつながりました。

  • 例:追っている成果→マーケチーム全体で創出する売上の最大化
    投資判断基準→投資した分のコスト以上の売上回収できる or チームメンバーがより効率的に働くことができ、結果として今よりも売上を最大化できる

ステップ③ターゲットにとっての価値を言語化する

このステップが最も重要(見落としがち)と言っても過言ではありません。
「自社サービスの価値はなにか?」ということを考える際、どうしても自社サービスの「機能」や自社ツールを使った「結果」だけにフォーカスを当てがちです。
しかし、自社サービスの「機能」や「結果」だけを並べても、ターゲットには響きにくいものです。例えば「チャットボットツールを導入できます」とだけ訴求しても、現場担当者は「それによって何がラクになるのか」「何を実現できるのか」がイメージできません。
そこで重要なのは「想定しているターゲット」が「自社サービスの強みや独自性」を享受することで「どのような状態」になるか?を言語化することです。
言語化するうえでは以下の3ステップを踏むことで整理がしやすくなります。

言語化の3ステップ

  1. 自社サービスの強みをおさらい(ステップ①)
    例:「限りなく少ない工数でチャットボットツールを組み込むことができる」
  2. ターゲット像を再確認(ステップ②)
    例:「月商500万円以下のD2C EC企業のマーケティング部長」
  3. ①が②にもたらす“価値”を具体化
    例:簡単にLPからのCVR改善できることで、マーケ担当者はABテストや他の施策検討に割ける時間が30%増加

上記のステップを踏むと、商品の訴求文一つをとっても以下のような改善が生まれます。

Before
「簡単にチャットボットツールを導入できます」

After
「手軽にCVRを改善し、新たなマーケティング施策の検証に対してより時間を割くことができます」

このように「機能(何ができるのか)→ターゲット(誰が使うのか)→ターゲットにとっての価値(使った結果どうなるのか)」を一文で示すと、ターゲットの心に刺さる価値提案が完成します。

上記は実際に私が支援していたサービスの例なのですが、このように訴求軸を明確にすることでLPや広告の文言だけでなく、リードを獲得するために必要なホワイトペーパーのテーマや構成にも活かすことが出来ます。

ステップ④インタビューで仮説検証を行う

ステップ②・③で言語化したペルソナ像と言葉が、実際のターゲットに響くかどうかはまだ仮説の段階です。そこで、以下のプロセスで検証しましょう。

  1. 適切なインタビュー相手を選ぶ
    ステップ②で定義したターゲットに近い社内外のステークホルダーや見込み顧客を3名以上ピックアップする。
  2. ヒアリング実施
    「普段どのような課題を抱えていますか?」
    「〇〇といった機能を聞いてどう思いますか?」
    「この訴求を聞いて導入してみたいと思いますか?」
    「価格帯を聞いて導入したいと思いますか?」
    など、課題・機能・価値・価格の4点からフィードバックを収集
  3. フィードバックの分析と改善
  4. ターゲットの見直しや、言葉遣い/強調ポイントを調整し、再度仮説をブラッシュアップ

このサイクルを回すことで、実際に「刺さる言葉」と「適正な価格感」が確立し、提案資料やLP、営業トークに自信をもって落とし込むことができます。

まとめ

本記事でご紹介した4つのステップを踏むことで、PMF到達までの無駄な試行錯誤を大幅に削減できます。
また、サービスの独自性、想定ターゲット、ターゲットにとっての価値を社内で統一して言語化することで、リード獲得からクロージングまでのコミュニケーションが一貫化し、提案スピードと受注率が向上し、マーケティングから営業までの協働効率が高まります。

実際に私が支援した企業でも、上記の手順を経ることでリード獲得効率や受注率が顕著に改善しました。

ぜひ本記事を参考に、自社サービスの価値を再定義し、PMF最速達成への一歩を踏み出してください。

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